チューブレス対応ホイールの手組みに挑戦して大苦戦する話:その4「決戦用高級チューブレスタイヤの大き過ぎる罠!!」

前回、振れ取りなどの調整を無事に終えて、ひとまず手組みホイール製作作業は終了です。
今回は、ホイール製作ではありませんが、チューブレスホイールを組むというテーマでしたのでその後のチューブレスタイヤ取り付けトラブルについて触れてみます。

とりあえず前回までのリンクです。
チューブレス対応ホイールの手組みに挑戦して大苦戦する話
その1「アウターホール無しリムは辛いよ」
その2「振れ取りは順番を守って慎重に!」
その3「慎重作業で振れ取りは万全!」

■選んだタイヤは決戦仕様!
さて、完成したホイールに装着するタイヤについてです。
チューブレスにこだわって組んだホイールですから当然ながらチューブレスタイヤを選びます。
今回、リムホールの無い気密性の高いホイールになったはずですので、カーボンホイールとしては珍しく正式なチューブレスタイヤが選べます。
と言うのも、市販されているチューブレス対応のカーボンホイールは、その殆どがリムホールをチューブレス対応用テープで塞いで、さらにシーラントを入れて気密性を確保して使用する所謂「チューブレスレディ」ホイールなのです。
それに対して、私の現在使用しているレーゼロ2WayFitや今回組んだホイールのようにリムホールを廃してチューブレスに完全対応したホイールは、チューブレス対応タイヤならシーラントを入れること無く運用が可能です。(チューブレスレディ用タイヤはシーラントを入れないと駄目です)

そんな訳で私が選んだタイヤは「VittoriaのCORSA SPEED TLR」です!
え~っと、チューブレスレディタイヤです。
何でだよ!!!!
わざわざ苦労してアウターホールの無い完全チューブレス対応ホイール組み上げておいて何でシーラント入れないと使えないチューブレスレディタイヤ選ぶんだよ!?

ととりあえず自分で突っ込んでおいてから解説です。

CORSA SPEEDはVittoria曰く、転がり抵抗の極めて低い「世界最速のタイムトライアル向けタイヤ」だそうです。
そんなのメーカーの主張で他のメーカーもハイエンド製品では同じような事主張してるのでは?
と思われるかもしれませんが、コイツはマジっぽいですぜ。
bicyclerollingresistance.com で他のタイヤと比較テストした結果がこちらです。
第三者の調査結果でもコレです。凄まじいです。飛び抜けてます。
ただしその分薄くて消耗も早く、耐パンクはシーラント任せというまさに決戦用タイヤ。
う~ん、普段使いする気に全くならないロマン仕様なタイヤですね。
私の場合普段使いにはレーゼロがありますので今回のホイールは平坦決戦用と位置付けています。となれば、耐久性に欠けても全く問題ありません。
折角の完全チューブレス対応ホイールですがそれでもあえてCORSA SPEEDで勝負です!

■しかしCORSA SPEEDは癖がありすぎた
そんな訳でタイヤはCORSA SPEEDと決定しました。
これを早速組み上がったばかりのホイールに装着します。
チューブレスタイヤは取り付け作業が少々面倒なのが欠点です。
詳しく語るには難しすぎますので、こちらのリンク先を参照して下さい。
要するに
・硬くてちょっと嵌めにくい
・空気が漏れないようにリムにビードを嵌め込む必要があるが(ビード上げと言います)この作業が難しい
・装着に失敗すると隙間から空気が漏れる
と言った問題があるわけです。
しかし私は既にレーゼロでチューブレスタイヤの使用経験がありますから恐れることはありません。
何時もの様にタイヤ取り付けを行うだけです。

まずは、食器用洗剤を薄めた液体をリムとタイヤのビードに塗布してタイヤをリムに入れます。
・・・ちょっと今まで使ったタイヤより硬めで素手だけでは最後が入りませんでしたが、上記リンク先でも使用しているIRCのチューブレス対応タイヤレバーがあれば問題ありません。無事にタイヤはリムに収まりました。
続いてはビード上げです。高圧の空気を送り込んでリム底にあるビードを一気にリムに取り付けます。
さあ、渾身のポンピングで一気に空気を送り込んで・・・
「シュワーッ!!」
ものすごい勢いで空気が抜けていく!!
そしてビードは・・・上がらない・・・(号泣)
何故?今までのタイヤはこれで「バキン、バキン!!」と音を立ててビードが上がってくれたのに!!
このタイヤ硬いからなのか精度が出ていないからなのか必死で勢い良く空気を送り込んでもちっともビードが上がってくれません。
前輪で何度かトライして失敗を繰り返した後
「もしかしたらリムかタイヤどちらかに問題があるのかもしれない」
と思い、後輪の装着にトライしてみました。
が、こちらも駄目!!ビードはさっぱり上がりません。
何度かの挑戦の後、ビード上げを諦め絶望的な気分で部屋に戻りネットで情報収集です。
ネットで得た情報によると「CORSA SPEED TLR」というタイヤは性能以外の部分で問題の多いタイヤのようです。
・シーラント無しだと空気が抜けまくって全く使い物にならない
・装着時に空気が抜けて安定させるのが難しい
使えるようになればその性能は折り紙付きながらそこまでの苦労が半端ないみたいです。
何にせよまずはビード上げを成功させなければ話になりません。
ネットで検索すると同じようにチューブレスタイヤでビード上げで苦戦している方は少なくないようで、そういった場合、エアーコンプレッサーを使って普通のポンプでは無理な高圧の空気を一気に送り込むと良いみたいです。
しかし、その装置は1万円ほどしますし、それで成功する保証もありません。(考えたくないですがもしもエア漏れが防げないほど精度の出てないリムだったらどうにもならないですし)
とりあえずショップに持ち込んでビード上げを依頼するのが現実的なセンだろうか・・・
と思いつつ検索を繰り替えてしていると・・・
こんなブログを発見しました。
何と、タイヤをエアーコンプレッサーとして流用するというコロンブスの卵のような素晴らしいアイデアです。
ブログ記事を参考に早速パーツを購入してDIY。そして出来たのがこちらのビード上げマスィーンです(笑)
ビード上げマシン
まずはこのタイヤに7気圧ほど空気を入れて、新しいホイールに接続します。そして弁を開放して高圧の空気を送り込むと!!!
やりました!見事ビード上げ作業成功です!!
しかし、ビードは上がったはずなのですがリムとタイヤの隙間からは相変わらず空気が抜けて塗布した洗剤のアワがブクブクと吹き続けています。
今までのタイヤだとこの段階で殆ど空気抜けは無くなるはずなんですが・・・
不安を感じつつも一応ビードは上がったので次の作業に移行です。

■シーラントを入れてタイヤ装着完了!?
さて、ビードは一応上がりましたので、残るはシーラントを入れて空気を入れて馴染ませるだけです。
しかし、まだシーラントを入れていないとは言えビードが上がったのに空気漏れまくりのこのタイヤ&ホイールコンビ、果たして大丈夫なのでしょうか?
不安を感じつつも、バルブを外してシーラントを40mlほどぶち込みます。そしてバルブを元に戻して、ポンプで空気を一気に送り込みます!
予想通り写真のようにブクブクと泡立ちながら派手に空気が抜けていきます。
シーラント漏れ画像
やっぱり駄目なのか?
半ばヤケクソ気味に空気を送り込んでいくと少しずつ気圧が高まっていき5気圧を超えたくらいでブクブクが収まっていきます。
もしかしてイケるのか?
と期待しつつさらに空気を入れると
「プシャー!!!!」
隙間からシーラントが霧状になって飛び散りました。
やっぱアカンやん!!!
ちくしょう、ちくしょう!!

もう涙目でそれでも空気をぶち込んでいって上限の9気圧まで入れます。
するとシーラントで残った僅かな隙間も埋まったようでやがて空気漏れは一切無くなりました。
もしかして成功!?
また何時空気漏れが発生するかとドキドキしつつホイールを振れ取り台にセットして回転させつつシーラントを全体に馴染ませていきます。
暫く様子を見ましたが空気が抜けている様子は無し。
とは言えチューブレスの場合、一晩放置して空気抜けが無いかをチェックしないと安心出来ません。
続いて後輪も同様の作業を行い(同じように空気漏れやシーラント吹き出しはあったものの9気圧入れたら落ち着きました)後は一晩放置して様子見となりました。

■ついにチューブレスホイール完成!!
翌日、空気圧をチェックしてみると9気圧→8気圧くらいになっていました。
コレくらいならラテックスチューブより上で十二分に実用範囲です。シーラントはきっちり効果を発揮していると判断して問題ないでしょう。
こうして苦労したもののタイヤの装着も何とか成功し
ついにチューブレスホイール完成です!!
いやぁ~今回は本当に苦労の連続でした。
そもそも手組み自体初めてなのに
・リム穴なしホイール
・癖のありすぎるチューブレスタイヤの選択

というわざわざ苦労する道を選んでしまったためにこの有様でしたが何とかここまでたどり着きました。本当に長かった・・・
後は、実際に走ってみるのみです。

■試走は京都嵐山までの100kmライド
かくしてホイールは完成しましたが何しろ初の手組みホイール。実際走って試してみないと使い物になるか安心はできません。
走っている最中に、
・スポークテンションが狂ったり振れがでた!
・チューブレスタイヤの空気が抜けた!
と言ったトラブルが発生しないとは限りません。
そんな訳で、100km走って様子を見ることにしました。
コースは定番の嵐山までの往復100kmです。
ちょっと走ったくらいでは見えてこない事も多いでしょうし100km走った後チェックしてトラブルが無ければとりあえず安心して使えると判断して良いかと思います。

そんな訳で先週末の日曜日はホイールの試走ライドに行ってきました。
3月も終盤であたりはすっかり春めいて気持ちのよいライドとなりましたが、それはさておき、ホイールの調子ですが往路では時々空気圧を確かめながらおっかなびっくりで走っていましたが嵐山に着いた段階で特に問題は発生せず。
安心して復路は何時ものペースで走ります。
帰宅途中、ちょっと雨がぱらついて来たので本降りになる前に帰宅しようと、ちょっと気合い入れてサイクリングロードを走ったら、Stravaによると自己ベスト更新&KOM(区間最速記録)をマークしていました。
いや区間は全く意識していなかったので狙ったわけでは無いんですがNewホイールのデビューライドとしては出来過ぎな結果ですね。
平坦路ではかなりの力を発揮してくれそうな手応えを感じました。
ライド後に振れやテンション、空気圧のチェックを行いましたが問題無しで、今後バッチリ使えそうです。
色々トラブルのあったホイール組み立てですがここまで仕上げる事ができて感無量です。
手組みホイール試走嵐山

■まとめ
長々とお付き合い頂き有難うございましたが手組みホイールの話はこれでお終いです。
紆余曲折を経てハッピーエンドで終わることが出来ました。
いや一時はホントどうなることかと・・・(苦笑)
私のような変わった組み方をする人はあまりおられないと思いますが、一応アドバイスなどを
・リム穴無しのリムでの手組みは大変だぞ~どうしてもと言うなら完成品買った方が良いぞぁ~
・CORSA SPEEDは装着大変だぞ~、出来ればショップに持ち込んで装着してもらうと良いんじゃないかな

トラブル続きで正直、他人には勧めにくいホイールになりましたが色々経験を積むことが出来ましたので今後自分でホイールの調整をしたりタイヤ交換するときなど今回の失敗の経験も活きてくるのではないかと思っています。
まあ何だかんだでこういうトラブルを試行錯誤しながら克服していく作業は楽しいものですしね(喉元過ぎればなんとやら(笑)
折角苦労して組んだホイールですから今後のレースなどでどんどん活用していければと思っています。

まずは7時間エンデューロかな(^_-)-☆

にほんブログ村 自転車ブログ ロードバイクへ
にほんブログ村
スポンサーサイト

コメント

Re: No title

通りすがりマンさん、アドバイス有難うございます。なんとシーラント入れて安定したあとでも問題の多いタイヤなんですね。
性能を追求したタイヤとは言え手のかかることです。これはますます普段使いには向きませんね(苦笑)
アドバイスを参考に重量が落ちたり空気圧が維持できなくなったらシーラントの入換を検討したいと思います。

やまちゃん、本当にお疲れ様でした。
ホイールも大変でしたけど、タイヤのほうも大変でしたね。
僕もチューブレス興味有るのですが、タイヤ交換が、億劫で踏み出せません。今度、エアーを高圧で充填できる秘密兵器のやり方教えて下さい。

Re: No title

通りすがりマンさん、度々有益なアドバイス有難うございます。TLRタイヤのシーラント水分抜けや分離の問題は恥ずかしながら知りませんでした。
幸い3本ローラーは所持していますので3本で週一ペースくらいで軽く回してやりつつレースなどで活用していきたいと思います。

Re: タイトルなし

5号さん、ホイール組み立てといい、チューブレスタイヤといい変わった物を選んだせいで予想以上に苦労してしまいました。
ですが最終的に何とか物になりましたので苦労した分、活躍させてやりたいと思っています。
チューブレスタイヤは・・・そうですねぇ装着、交換、パンク対応と面倒も多いのでなかなか気軽に勧めることができませんね。乗り心地の良さやリム打ちパンクの心配がないなどメリットも多いのですが…
エアーの高圧充填マシンについては記事中にリンクを張ってありますのでリンク先ブログの解説を参考にしてみて下さいね。

コメントの投稿